豚肉

豚肉

古来より、家畜として世界中で飼われてきた「豚」。豚肉とひとくくりにできないほど部位ごとに味わいが異なります。主な部位は、ロース・肩ロース・ヒレ・もも・バラなどです。「ロース」は胸から腰にかけての背側の肉で、豚特有の香りがある厚い脂肪に覆われています。塊肉、厚切り、薄切りとどんな料理にも対応できます。「肩ロース」はロースの前方に位置する背肉で、適度な脂肪があり旨みが強く、ロースと同様に幅広い調理に向きます。「ヒレ」は背骨の内側に沿ってついているもっとも柔らかい赤身肉で豚肉の最高級部位とされています。3つの大きな塊からなる筋肉質な「もも」は、全体的に脂肪は少なく柔らかい肉質が特徴です。豚肉の中で最も脂肪が多い「バラ」は塩漬けやベーコン、腸詰などといった加工肉にも幅広く使われています。

食材のトリビア情報

【豚肉はヘルシー志向の味方?!】
豚肉は脂肪の多いイメージですが、部位によってはヘルシー食材とも言えます。ヒレやももなどは、鶏肉のささみやむね(皮なし)とほぼ同じエネルギーです。(※1)減量中の方や体重管理を気遣っている方は、エネルギーの低いヒレやももなどの部位を選んだり、余分な脂肪を取り除くなどの調理の工夫をすると良いでしょう。

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)
<鳥肉類>にわとり[成鶏肉]むね皮なし
<鳥肉類>にわとり[成鶏肉]ささ身
<畜肉類>ぶた[中型種肉]もも赤肉
<畜肉類>ぶた[中型種肉]ヒレ
各エネルギー比較

知っておきたい基礎知識

旬な時期 通年
栄養素トピックス たんぱく質が多く、脂質量は部位によって大きく異なります。ビタミンB₁が豊富で、牛肉の約10倍にもなり(※1)、特にヒレやももに多く含まれています。ビタミンB₁は育ちざかり・働き盛りの方には特に欠かせない栄養素です。

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)
「ぶた」、「うし」ビタミンB₁平均比較
選び方 肉はやや灰色がかったピンク色で光沢のあるもの、脂肪は白く固く締まっているものが良質です。特に薄切り肉やひき肉は傷みが早いので、変色をしていないか確認しましょう。
保存 購入したらパックから取り出し、ドリップ(肉からでた水分)を拭き取り、ペーパータオルで包んでラップをします。空気を遮断して密閉保存をするのが痛みにくくするポイントです。
調理ポイント とんかつや煮込み料理など、厚切りや塊肉を使う場合は、調理前に室温に戻しておきましょう。火の通りが良く風味が落ちにくくなります。脂肪の少ないヒレやもも、薄切り肉は加熱しすぎるとパサつきやすいので注意が必要です。脂肪が気になる場合は、余分な脂肪を切り落としたり、蒸す・茹でるなどの調理法がおすすめです。
品種や種類 日本の肉用豚は、「三元豚」という肉質と生産性を高めた交雑種で、脂肪が少ないランドレース種、赤身と脂肪のバランスの良い大ヨークシャー種、脂肪が多く柔らかいデュロック種の三種の組み合わせが主流です。
美味しい豚の代名詞である「黒豚」は、肉質・脂肪質ともに優れており、筋繊維がきめが細かく水分を多く含みます。六白(白い部分が鼻と尾、4本の足先の6ヶ所ある)が目印の黒豚はバークシャー種のみの純粋種です。

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